『マクラーレンF1』のメンテナンスには20年前のcompaq製ノートPCが必要な理由!!

F1で活躍するイギリスの名門レーシングチーム・マクラーレンによって、1990年代に生み出された「マクラーレン・F1」は、現代でも通用する高性能と生産台数が少ない貴重性から、押しも押されもせぬスーパーカーとして人気があります。そのマクラーレン・F1が、なんと20年前に販売された旧型ノートPCなしではメンテナンスがままならない状況にあることが分かりました。マクラーレン・F1はマクラーレン・カーズ(現マクラーレン・オートモーティブ)が1991年に発表したスーパーカーで、「史上最速のロードゴーイングカー」の呼び声高いマシンです。当時の販売価格が1億円以上というだけでなく、選ばれた者しか購入することが許されなかったという、まぎれもないスーパーカーで、オークションでは15億円以上の価格で中古車が取引された実績のある希少車としても知られています。

発売後、6年間も自然吸気エンジン車として世界最速の座を守りつづけたマクラーレン・F1は、市販された106台のうち100台が現存。いずれのマクラーレン・F1も、マクラーレン・オートモーティブによってサポートされていますが、搭載するコンピューターのメンテナンスに、20年前のCompaq(現HP)のノートPC「LTE 5280 laptop」が使われているという事実がJalopnikの取材で判明しました。

なぜCompaqの古いノートPCが必要なのかについてJalopnikがマクラーレンに問い合わせたところ、「マクラーレン・F1には、ノートPCと自動車を接続するためのDOSベースで動く特注のCAカードが使用されており、CAカードを使ってメンテナンスができるのはLTE 5280 laptopのみだから」という回答が返ってきたとのこと。

つまり、汎用のインターフェースを用いずに特定機種でのみメンテナンスできるような仕様にしてしまっていたというわけです。このために、マクラーレンではマクラーレン・F1のメンテナンスのためにLTE 5280 laptopの動作品を確保しておく必要があるのですが、市価5億円は下らないと言われるマクラーレン・F1に対して、LTE 5280 laptopもオークションサイトで見かけることが減ってきた希少品となっていて、PCのコンディション維持にも力を割かざるを得ない状況にあるそうです。なお、マクラーレンでは、LTE 5280 laptopに代わって、特注CAカードをソフトウェアで動作させられる代替品の開発を行っているところだとのこと。

市販されたマクラーレン・F1のうち、もはや現存しないマシンはわずかに6台ですが、そのうちの1台がどういう結末を迎えたのかは、以下のムービーで確認できます。